サヨナラヒットは何塁打になる?走者が生還した時点で試合終了になるルールを解説

9回裏、同点。

二塁にランナーを置いて、打者が外野の間を抜く大きな当たり。

二塁走者がホームインしてサヨナラ勝ち!

打った選手も二塁まで到達できそうな打球でした。

では、この打者には「二塁打」が記録されるのでしょうか。

サヨナラの場面では、普段とは少し違った記録になることがあります。

「サヨナラヒットは全部単打?」
「打者はどこまで走ればいい?」
「満塁で四球ならどうなる?」
「サヨナラホームランだけ特別?」

今回は、サヨナラ勝ちの瞬間に試合がどう終了し、打者や走者の記録がどうなるのかを整理します。

そもそもサヨナラ勝ちとは?

後攻チームが最終回または延長回の攻撃で勝ち越し、その時点で試合が終了することを一般に「サヨナラ勝ち」と呼びます。

たとえば9回裏を、

3対3

で迎えたとします。

後攻チームが1点を取って、

4対3

になれば、先攻チームにはもう攻撃機会がありません。

そのため原則として3アウトまで攻撃を続ける必要はなく、勝敗が決まったところで試合終了となります。

サヨナラヒットは必ず単打になる?

必ずしも単打ではありません。

サヨナラ安打でも二塁打や三塁打として記録されることがあります。

重要なのは、

勝敗が決まるまでに打者がどこまで正当に進塁したか

です。

ただし、通常のイニングのように「打球が転がっている限り好きなだけ塁を進んで、その全部が記録される」と考えることはできません。

二塁まで行けそうな打球でも単打になることがある

たとえば9回裏、同点、二塁走者あり。

打者が左中間を破る打球を打ったとします。

二塁走者がホームイン。

この瞬間、後攻チームの勝利が決まります。

打者が一塁まで到達してサヨナラ勝ちが成立した場合、打球自体は明らかに二塁打コースでも、記録上は単打となることがあります。

「フェンスまで転がったから二塁打」

と単純には決まりません。

サヨナラの場面では、試合終了までに必要となった進塁が記録に大きく関係します。

ではサヨナラ二塁打はどうやって記録される?

たとえば同点で一塁走者がいるケースを考えてみます。

外野の間を破る長打。

一塁走者が一気にホームへ向かい、打者も二塁へ到達。

走者が生還してサヨナラとなった。

こうしたケースでは、打者に二塁打が記録される可能性があります。

つまり「サヨナラ=全部単打」ではありません。

実際の打球と、勝利に必要な走者の進塁などによって記録が決まります。

2点差以上になるサヨナラ安打はある?

通常のサヨナラ安打では、勝利に必要な得点が入った時点で試合が終了します。

たとえば3対3の1アウト満塁。

打者が外野へヒットを打ちました。

三塁走者が生還して4対3。

この時点で勝利に必要な1点が入っています。

後ろの走者が次々ホームへ帰って、

「6対3」

になるまでプレーを続ける必要はありません。

基本的には勝敗を決めるために必要な得点までが認められます。

ところがサヨナラホームランは違う

ここで大きな例外になるのがホームランです。

同点で走者を置いてホームランを打った場合、勝利に必要なのが1点だけだからといって、

「最初の走者が生還したので残りは無効」

とはなりません。

ホームランでは打者とすべての走者が正規に各塁を踏んで本塁まで進むことができます。

たとえば3対3の9回裏、一塁走者あり。

打者がホームランを打てば、

5対3

のサヨナラ勝ちになります。

いわゆるサヨナラ2ランです。

満塁ホームランなら4点入る

同じように満塁ならどうでしょう。

3対3の9回裏、満塁。

ここでホームラン。

勝利するだけなら三塁走者の1点で十分です。

しかし満塁ホームランなら4人全員が生還できるため、

7対3

で試合終了となります。

これが「サヨナラ満塁ホームラン」です。

勝敗だけを考えれば1点で十分ですが、ホームランの場合は全走者と打者の得点が認められる点が大きな特徴です。

ホームランを打ったら最後まで走らないといけない?

はい。

ホームランだからといって、打った瞬間に自動的に得点が記録されるわけではありません。

打者は、

一塁
二塁
三塁
本塁

を正しく踏む必要があります。

塁を踏み忘れてアピールプレーによってアウトになるなどすれば、記録に影響する可能性があります。

サヨナラホームランを打った選手がダイヤモンドを一周するのは、単なるセレモニーではありません。

サヨナラホームランでホーム付近に選手が集まる理由

サヨナラホームランが出ると、ベンチから選手たちが飛び出してホーム付近で打者を待っている光景があります。

そして打者がホームを踏んだ瞬間、大勢で祝福します。

ただし、打者走者が正しく本塁へ到達する前にプレーを妨げるような行為をしてはいけません。

そのため祝福する選手たちは、打者が最後まで走塁を完了できるようにする必要があります。

サヨナラ押し出し四球ならどうなる?

同点の9回裏、満塁。

打者が四球。

三塁走者が押し出されてホームインすれば、サヨナラ勝ちです。

この場合、打者には四球が記録されます。

ただし満塁で打者に一塁が与えられるため、各走者にも進塁義務があります。

サヨナラの瞬間だからといって、誰も塁を踏まずにベンチへ戻っていいとは限りません。

サヨナラ死球でも同じ?

満塁で打者が死球を受けた場合も、打者には一塁が与えられます。

それによって各走者が押し出され、三塁走者が生還すればサヨナラです。

記録としては安打ではなく死球です。

「サヨナラ勝ち=誰かがヒットを打つ」

とは限りません。

暴投でサヨナラになることもある

同点で三塁走者がいる場面。

投手のボールを捕手が止められず、三塁走者がホームイン。

これでもサヨナラ勝ちになります。

記録が暴投となれば、もちろん打者にサヨナラ安打は付きません。

ほかにも、

捕逸
失策
犠牲フライ
押し出し四球
押し出し死球

など、さまざまな形でサヨナラ勝ちは起こります。

内野ゴロでもサヨナラになる

1アウト三塁などでは、内野ゴロの間に三塁走者がホームへ生還して試合が決まることもあります。

守備側が打者走者を一塁でアウトにするより、本塁で走者をアウトにしなければ試合が終わってしまう場面です。

こうした状況では通常なら簡単に一塁へ投げるゴロでも、内野手がホームへ送球することがあります。

終盤に内野手が極端に前へ守る「前進守備」を敷く理由の一つです。

犠牲フライでサヨナラもある

同点で0アウトまたは1アウト三塁。

外野へ十分な飛距離のフライを打ち、捕球後に三塁走者がタッチアップ。

本塁へ生還すればサヨナラ勝ちです。

打者には条件を満たせば犠牲フライと打点が記録されます。

安打ではありません。

テレビ中継でよく聞く「最低でも外野フライが欲しい」という状況です。

サヨナラエラーなら打者にヒットは付く?

守備側の失策によって決勝点が入った場合、必ずしも打者に安打が記録されるわけではありません。

たとえば通常ならアウトにできるゴロを内野手が後逸し、その間に三塁走者が生還した場合。

記録員が失策と判断すれば、サヨナラ勝ちではあっても「サヨナラヒット」ではありません。

ニュースでは単に、

「○○の打球でサヨナラ」

と表現されることもありますが、公式記録を見ると安打ではないケースがあります。

サヨナラ打とサヨナラヒットは同じ?

会話では同じように使われることもありますが、「サヨナラ打」という表現はサヨナラ安打より広い意味で使われることがあります。

安打だけでなく、犠牲フライなどで決勝点を生み出した打席を指して使われることがあります。

一方、「サヨナラヒット」「サヨナラ安打」と言うなら、当然ながら安打が記録されている必要があります。

サヨナラの場面では守備も普段と変わる

サヨナラの可能性がある場面では、守備位置にも注目です。

同点の9回裏、一死三塁。

三塁走者がホームへ帰れば試合終了です。

通常ならアウトを一つ取れる内野ゴロでも、三塁走者を生還させれば負けてしまいます。

そこで内野手が前進し、本塁でアウトを取れる位置を守ることがあります。

外野手も、犠牲フライを防ぐために通常より前へ守ることがあります。

逆に頭を越されればその瞬間に試合が終わるので、非常に特殊な守備になります。

サヨナラでは「あと1点」の重みが違う

通常の攻撃なら、

「もう1点取れるか」

を考えながら走者は次の塁を狙います。

しかしサヨナラの場面では、その1点が入れば試合そのものが終了します。

だからこそ、

外野手が猛烈な勢いでバックホームする
内野手が極端な前進守備をする
三塁走者がわずかな隙でスタートする

といった、普段とは違うプレーが生まれます。

そして記録についても、

「打球がどこまで飛んだか」だけで塁打数が決まるとは限らない

という面白さがあります。

次にサヨナラヒットを見たときは、喜ぶ選手たちだけでなく、

「打者には単打と二塁打のどちらが記録された?」

と公式記録も確認してみてください。

見た目では二塁打にしか見えない当たりが「単打」になっているかもしれません。

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