1イニングに同じ選手が2本ホームランを打つことはある?実際の達成者と条件を解説

1試合に2本のホームラン。

これならプロ野球でも、ときどき見かけます。

では、

1イニングに同じ選手が2本のホームランを打つ

ことはあるのでしょうか。

もちろん理屈の上では可能です。

ただし、1本目のホームランを打ったあと、同じイニング中に打順が一周して、もう一度その選手まで打席が回ってこなければなりません。

さらに、その2打席目でもホームラン。

考えてみると、とんでもない条件です。

しかし日本のプロ野球では、実際に何度も記録されています。

1イニング2本塁打は実在する

「1イニング2本塁打」は正式に残っているプロ野球の記録です。

最近では2025年8月21日、ロッテの山口航輝が楽天戦の4回に達成しました。

NPBによると、これがプロ野球22人目、24度目。

つまり長いプロ野球の歴史を見ても、達成者はそれほど多くありません。

1試合2本塁打とは、かなり希少度が違います。

なぜ同じイニングに2回打席が回ってくる?

野球は3アウトになるまで攻撃が終わりません。

たとえば4番打者がホームランを打ったとします。

その後、

5番 ヒット
6番 四球
7番 ヒット
8番 アウト
9番 四球
1番 ヒット
2番 アウト
3番 ヒット

と攻撃が続けば、まだ2アウトです。

次は誰でしょうか。

再び4番打者です。

つまり最初にホームランを打った選手へ、そのイニング2回目の打席が回ってきます。

そこでまたホームランを打てば、

1イニング2本塁打

が完成します。

まずチーム全体が打たないと達成できない

この記録の面白いところは、本人が絶好調なだけでは達成できないことです。

1本目のホームランを打ったあと、

「もう一度打ちたい」

と思っても、自分ではどうにもできません。

後ろの打者たちが出塁し、アウトにならずに攻撃を続ける必要があります。

最低でも打順が一周するほどの猛攻が必要です。

つまり1イニング2本塁打は、

本人の打撃+チーム全体の猛攻

が重なって初めて生まれる記録です。

2025年には山口航輝が達成

2025年8月21日のロッテ-楽天戦では、山口航輝が4回に2本のホームランを放ちました。

しかも山口は前日の最終打席から本塁打を続けており、この試合でも本塁打を重ねました。

NPB公式では、山口の1イニング2本塁打を「2022年6月12日の辰己涼介以来」としています。

1イニング2本塁打だけでも珍しいのに、好調な打者が短い間にホームランを量産する中で生まれた記録でした。

2022年には辰己涼介も達成

その前に記録したのが楽天の辰己涼介です。

2022年6月12日の巨人戦。

2回に2本のホームランを放ち、1イニング2本塁打を達成しました。

NPB公式では当時、プロ野球21人目、23度目のタイ記録とされています。

同じ回に同じ選手が2度ホームラン。

スコアだけ見れば、

「入力ミスでは?」

と思ってしまいそうですが、本当に起きた記録です。

大山悠輔も1イニング2本塁打

2018年9月16日には阪神の大山悠輔も達成しています。

DeNA戦の3回でした。

この試合は阪神打線が爆発。

その大量得点の中で打順が回り、大山に同じイニングで2回の打席が巡ってきました。

そして両方でホームラン。

NPB公式では当時、プロ野球20人目、22度目の記録でした。

「本人が2本打つ」だけではなく、「同じ選手まで打順が戻ってくるほどチームが打つ」という条件の厳しさがよく分かります。

同じ投手から2本打つこともある?

あります。

相手投手が交代しなければ、

1本目 投手Aからホームラン
↓
打者一巡
↓
2本目 再び投手Aからホームラン

ということも可能です。

2016年に中日のビシエドが1イニング2本塁打を達成した際、NPB公式は「同一投手から2本」は当時5度目だったと記録しています。

大量失点していても投手交代が行われなければ、同じ打者と同じ投手が同じイニングに再び対戦することがあるわけです。

1イニング2本塁打なら最低何人が打席に立つ?

同じ選手にもう一度打席を回すには、打順が一周しなければなりません。

たとえば1番打者がその回最初の打者だった場合、

1番
2番
3番
4番
5番
6番
7番
8番
9番
再び1番

となります。

そのため、最初の打者が2回目の打席に入る時点で、そのイニングでは少なくとも10打席目になります。

当然、その前に3アウトになってはいけません。

この条件だけでも大量出塁が必要です。

2本とも満塁ホームランなら8打点?

ここからは、さらに極端なケースを考えてみます。

1回目の打席が満塁。

満塁ホームランで4打点。

その後も攻撃が続いて打者一巡。

再び満塁で同じ打者へ。

ここでも満塁ホームランなら、もう4打点です。

つまり理屈の上では、

1イニングに2本の満塁ホームランを打って8打点

ということも可能です。

実際に起きる可能性は極めて低いですが、ルール上「1イニング4打点まで」という制限はありません。

では1イニング3本塁打も可能?

2本できるなら、

「3本もできるのでは?」

と思います。

理屈だけなら可能です。

1本目を打つ。

その後、打線が一周して2本目。

さらに攻撃が終わらず、もう一度打線が一周。

そして3本目。

3アウトになる前なら打席数そのものに上限はないため、ルール上は不可能ではありません。

ただし、同じ選手に3打席目が回る時点でチーム全体が猛烈な攻撃を続けている必要があります。

さらに3打席すべてホームラン。

1イニング2本塁打とは比べものにならないほど条件が厳しくなります。

1イニング2本塁打は「打者一巡」の先にある記録

野球中継で、

「打者一巡の猛攻です」

と聞くことがあります。

そのとき注目したいのが、そのイニングの最初の方に打った選手です。

打順が一周すれば、当然もう一度打席が回ってきます。

もし最初の打席でホームランを打っていた選手なら、

「もう1本打てば1イニング2本塁打」

という珍記録のチャンスになります。

大量得点の試合は点差ばかりに目が行きますが、個人記録という視点で見ると別の面白さがあります。

1イニング2安打なら珍しくない?

2本ともホームランとなると非常に珍しいですが、1イニング2安打まで条件を緩めれば、達成する可能性はかなり高くなります。

大量得点のイニングでは、

最初の打席でヒット
↓
打者一巡
↓
2回目の打席でもヒット

ということがあります。

この場合、その選手だけを見ると1イニングで2打数2安打。

たった一つのイニングだけで打率や安打数を大きく伸ばすことになります。

反対に1イニング2三振もあり得る

良い記録だけではありません。

最初の打席で三振。

ところがその後、味方が猛攻を続けます。

打順が一周して再び打席へ。

そこでまた三振。

これなら、

1イニング2三振

です。

チームは大量得点しているのに、自分だけ同じ回に2アウトを記録する。

選手本人としてはかなり複雑でしょう。

同じ「1イニング2打席」でも、結果によって天国と地獄です。

大量得点になったらホームランを打った選手の次打席にも注目

1イニング2本塁打は、試合開始前から狙って達成できるような記録ではありません。

まずホームランを打つ。

さらに味方が打ち続ける。

打順が一周する。

そしてもう一度ホームランを打つ。

いくつもの条件が重ならなければ成立しません。

だからこそ、プロ野球の長い歴史でも達成回数は多くありません。

もし試合中に大量得点となり、

「そういえば、この選手はこの回の最初にもホームランを打っていたな」

という場面が来たら、その打席は少し注目です。

次の一振りで、珍しい「1イニング2本塁打」が誕生するかもしれません。

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