プロ野球の順位表を見ると、勝敗数とともに必ず表示されている「勝率」。
基本的には、この勝率が高いチームほど上の順位になります。
では、シーズン終了時に2つのチームがまったく同じ勝率になったらどうなるのでしょうか。
「同率1位なら両方優勝?」
「直接対決で勝ち越しているほうが上?」
「ゲーム差0なら同じ順位?」
「引き分けの数は関係する?」
シーズン終盤になると気になる「同率順位」の仕組みについて整理します。
プロ野球の順位は基本的に勝率で決まる
まず基本から。
プロ野球のレギュラーシーズンでは、勝率によって順位が決まります。
勝率は、
勝利数÷(勝利数+敗戦数)
で計算します。
たとえば、
70勝60敗3分
なら、
70÷(70+60)
なので、勝率は約.538です。
ここで注目したいのが、引き分けを計算に入れないことです。
試合数そのものではなく、勝敗が決まった試合のうち何%勝ったかを表しているわけです。
引き分けが多いと勝率はどうなる?
たとえば次の2チームがあったとします。
Aチーム
70勝60敗13分
Bチーム
70勝65敗8分
どちらも70勝ですが、勝率は違います。
Aチームは、
70÷130=約.538
Bチームは、
70÷135=約.519
です。
同じ勝利数でも、負け数が少ないAチームのほうが高い勝率になります。
引き分けそのものを勝率の分母に入れないため、引き分け数が違うと「勝利数だけでは順位が分からない」ことがあります。
勝率がまったく同じになることもある
143試合も戦えば、
「最後はきれいに順位が分かれるだろう」
と思うかもしれません。
しかし、2球団の勝率が同じになる可能性はあります。
特に引き分けがある日本のプロ野球では、勝敗数が違っていても計算すると同じ勝率になることがあります。
そこで必要になるのが、同率だった場合の順位決定方法です。
同率なら両方1位になるわけではない
勝率が同じだからといって、
「両チームとも1位」
としてシーズンを終えるわけではありません。
リーグの規定に基づいて順位を決定します。
これはクライマックスシリーズへの出場にも関係します。
たとえば3位と4位が同率になった場合、
「両方ともCSへ出場」
とはできません。
どちらを3位とするのか決める必要があります。
優勝争いだけでなく、CS争いでも重要なルールです。
セ・リーグで勝率が同じ場合は?
セ・リーグでは、勝率が同じ球団が複数あった場合、定められた方法によって順位を決めます。
重要なのは、
「勝率が同じなら直接対決だけで決まる」とは限らない
ということです。
その年度のリーグ規定に基づき、複数の基準を順番に適用して順位を決定します。
そのためシーズン終盤になると、
「この2チームは同率でも○○が上になる」
と報道されることがあります。
単純な勝率だけでは見えない条件が存在するわけです。
パ・リーグでも同率時の順位決定方法がある
パ・リーグについても、同じ勝率の球団が出た場合に備えて順位決定方法が定められています。
つまりセ・リーグでもパ・リーグでも、
最終勝率が同じ=順位も同じ
ではありません。
ここは順位表を見るうえで覚えておきたいところです。
また、同率時の具体的な優先条件はリーグや年度の規定によって確認する必要があります。
シーズン終盤に本当に同率の可能性が出てきた場合は、その年の公式な順位決定方法を確認するのが確実です。
ゲーム差0でも順位が違うことがある
順位表では、
1位 Aチーム -
2位 Bチーム 0.0
のように表示されることがあります。
「0ゲーム差なら同率じゃないの?」
と思いますよね。
しかし、ゲーム差と勝率は別の方法で計算されています。
ゲーム差は勝利数と敗戦数の差から算出する指標です。
一方、実際の順位は勝率をもとに決まります。
そのため、引き分け数や消化試合数の違いによって、
ゲーム差は0なのに勝率が違う
という状況が起こります。
順位表ではゲーム差だけを見るのではなく、勝率も一緒に確認する必要があります。
勝率が高いのに勝利数が少ないこともある
これも引き分けがあるプロ野球ならではです。
たとえば、
Aチーム
70勝60敗13分
Bチーム
71勝62敗10分
だったとします。
勝利数だけならBチームが上です。
しかし勝率を計算すると、
Aチーム
70÷130=約.538
Bチーム
71÷133=約.534
となります。
つまり、AチームはBチームより1勝少ないのに順位では上になる可能性があります。
「勝ち数が多いチームが必ず上位」というわけではないのです。
引き分けは「半分勝ち」ではない
サッカーなど他のスポーツに慣れていると、
勝ち=3点
引き分け=1点
のような勝ち点方式をイメージするかもしれません。
プロ野球の順位決定は、そのような勝ち点方式ではありません。
また、
「引き分け=0.5勝」
として勝率を計算するわけでもありません。
勝率を計算するときには、基本的に引き分けを除外します。
そのため引き分けが多いチームでは、
勝利数+敗戦数
が他球団より少なくなることがあります。
シーズン終盤の順位争いでは、この引き分け数が意外と大きな意味を持つことがあります。
70勝したチームより69勝のチームが上になることもある?
可能性はあります。
極端な例ですが、
Aチーム
69勝50敗24分
Bチーム
70勝60敗13分
ならどうでしょう。
Aチームの勝率は、
69÷119=約.580
Bチームは、
70÷130=約.538
です。
勝利数はBチームのほうが多いのに、勝率はAチームのほうがかなり高くなります。
順位を見るときに「何勝したか」だけでは判断できない理由です。
シーズン途中の順位にも同じことが起こる
同率の問題は最終順位だけではありません。
シーズン途中でも、
「昨日まで2位だったのに今日は3位」
ということがあります。
特に順位が接近していると、
Aチームが引き分け
Bチームが勝利
などの結果によって勝率が細かく変化します。
さらに消化試合数も球団によって違うため、
「勝利数は同じなのに順位が違う」
というケースも珍しくありません。
雨天中止が増える時期には、順位表がより複雑になります。
優勝マジックにも関係してくる
シーズン終盤になると「優勝マジック」が話題になります。
ここでも重要なのは、単純なゲーム差だけではありません。
各チームの、
- 勝敗
- 引き分け
- 残り試合数
- 最終的に到達できる勝率
などが関係してきます。
そのため、
「5ゲームも離れているのにまだマジックが出ない」
「思ったより早くマジックが点灯した」
といったことがあります。
順位表の仕組みを理解すると、優勝マジックが少し分かりやすくなります。
シーズン終盤は勝率の「3桁目」まで注目
シーズン序盤なら、
.600と.500
のように勝率に大きな差があります。
しかし終盤の接戦では、
.538
.537
.535
といったわずかな差が順位を左右します。
テレビ中継などでは「ゲーム差」が大きく取り上げられますが、本当に順位を確認したいなら勝率を見ることも大切です。
特に、
ゲーム差0
勝利数が同じ
引き分け数が違う
という状況では、勝率まで確認してみてください。
「なぜこっちのチームが上なの?」
という疑問が解決することがあります。
そして最終的に勝率まで同じになった場合には、その年のリーグ規定に定められた順位決定方法が使われます。
シーズン終盤の順位表は、単に1位から6位までを見るだけではありません。
勝率、ゲーム差、引き分け数、残り試合数。
このあたりまで見てみると、優勝争いやクライマックスシリーズ争いをより楽しめるようになります。

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