プロ野球のニュースを見ていると、
「○○選手の出場選手登録を抹消」
「最短での一軍復帰を目指す」
といった表現をよく目にします。
主力選手が登録抹消されると、
「ケガをしたの?」
「もう一軍の試合には出られない?」
「二軍落ちと何が違う?」
「いつから一軍に戻れる?」
など、いろいろ気になりますよね。
特に分かりにくいのが「10日」という数字です。
今回はプロ野球の出場選手登録と登録抹消について、ニュースを見るときに知っておきたいポイントを整理します。
登録抹消とは?
プロ野球では、球団に所属している選手なら誰でも一軍の公式戦に出場できるわけではありません。
一軍の試合に出場するためには「出場選手」として登録される必要があります。
そして、その登録から選手を外すことを一般に「登録抹消」と呼びます。
つまり、
登録される → 一軍公式戦に出場できる
登録を抹消される → 一軍公式戦には出場できない
ということです。
ニュースで「○○を抹消」と書かれている場合、基本的にはこの出場選手登録から外れたことを意味しています。
登録抹消=戦力外ではない
「抹消」という言葉だけを見ると、かなり深刻に感じるかもしれません。
しかし、登録抹消と戦力外通告はまったく別のものです。
登録抹消されても、その選手が球団を退団するわけではありません。
シーズン中には多くの選手が登録と抹消を繰り返します。
たとえば、
調子が落ちた
ケガをした
先発ローテーションの都合
若手選手と入れ替える
外国人選手の起用を変更する
など、理由はさまざまです。
一度抹消されたからといって、その選手が球団から必要とされなくなったとは限りません。
「二軍落ち」と登録抹消は同じ?
ニュースやファン同士の会話では、
「二軍落ちした」
という言い方をよくします。
多くの場合、一軍の出場選手登録を抹消されて二軍で調整することを指しています。
ただし「二軍落ち」は正式な制度名ではなく、一般的な表現です。
正式には「出場選手登録を抹消された」と考えると分かりやすいでしょう。
また、登録を抹消された理由が必ずしも「成績が悪かったから」とは限りません。
登録抹消されたら何日間戻れない?
ここが最も気になるところでしょう。
通常、一度出場選手登録を抹消された選手は、抹消された日から10日間は再登録できません。
そのためニュースでは、
「最短10日で復帰」
といった表現が使われます。
ただし、「10日休んで11日目なら必ず戻れる」という意味ではありません。
あくまで再登録できるようになる最短のタイミングです。
状態が戻っていなければ、そのまま二軍で調整を続けることもあります。
10日間は二軍の試合にも出られない?
ここは勘違いしやすいところです。
登録抹消によって出場できなくなるのは、一軍の公式戦です。
二軍の公式戦などには出場できます。
そのためケガではなく調整目的で抹消された選手が、数日後に二軍戦へ出場することもあります。
たとえば打撃不振の選手なら、
一軍登録抹消
↓
二軍戦で打席数を確保
↓
状態が上向く
↓
再び一軍登録
という流れがあります。
ケガをしていなくても抹消される
登録抹消のニュースを見ると、
「どこか痛めたのかな?」
と思ってしまいがちです。
しかし、健康な選手でも抹消されることがあります。
分かりやすいのが先発投手です。
先発投手は一度登板すると、通常は何日か間隔を空けて次の試合に登板します。
その間、一軍の試合で登板する予定がありません。
そこで日程などによっては先発投手を一度抹消し、その枠で別の選手を一軍に登録することがあります。
そして再登録可能になったところで、再び先発投手を一軍へ戻します。
このような登録枠の使い方もプロ野球の戦略の一つです。
抹消した選手の代わりに誰かを登録できる?
できます。
むしろ選手の入れ替えをするために登録抹消を行うケースは非常に多いです。
たとえば、
A選手を登録抹消
↓
B選手を一軍登録
という形です。
A選手が不調なら、二軍で好調なB選手にチャンスを与えることができます。
プロ野球では一軍に登録できる人数に上限があるため、誰かを昇格させるには登録枠を空ける必要が生じることがあります。
登録抹消された日に別の選手を登録できる?
基本的には可能です。
そのため公示を見ると、
登録
○○選手
登録抹消
△△選手
という入れ替えが同じ日に発表されていることがあります。
野球ファンの間で、
「誰が上がってくる?」
「この抹消は○○を昇格させるためでは?」
と予想するのも、公示を見る楽しみの一つです。
一軍登録されているだけで試合に出られる?
一軍の出場選手として登録されていれば、一軍公式戦に出場する資格があります。
ただし、登録されている選手全員が毎試合ベンチ入りするとは限りません。
その日の試合で実際にベンチ入りする選手についても人数のルールがあります。
特に先発投手などは、登板予定がない日にベンチ入りメンバーから外れることがあります。
つまり、
球団所属選手
↓
一軍の出場選手登録
↓
その日のベンチ入り
というように、少し違う段階があると考えると理解しやすくなります。
登録抹消されたら給料は下がる?
登録抹消されたからといって、契約している年俸そのものが突然なくなるわけではありません。
ただしプロ野球選手の契約や手当にはさまざまな仕組みがあり、選手の契約内容によって事情も異なります。
そのため、
「一軍から抹消されたら年俸が10日分なくなる」
といった単純な仕組みではありません。
一軍登録日数が選手にとって重要になる制度もあるため、「一軍に何日登録されていたか」は選手のキャリアにおいて意味を持つ数字です。
FAにも一軍登録日数が関係する
一軍の登録日数が重要になる代表例がFA(フリーエージェント)資格です。
FA権を取得するための年数は、単純に、
「プロ入りから何年経ったか」
だけで決まるわけではありません。
一軍の登録日数が資格取得に関係します。
そのため若手時代から一軍に定着している選手と、長期間二軍でプレーしていた選手では、同じ年に入団していてもFA権を取得する時期が違うことがあります。
登録抹消は目の前の試合だけでなく、長い目で見ると選手のキャリアにも関係する制度なのです。
「特例」で通常と違う扱いになることもある
通常は抹消後すぐに再登録できませんが、すべてのケースが完全に同じ扱いになるとは限りません。
プロ野球では特例措置が設けられることがあり、その条件を満たした場合には通常とは異なる登録・再登録が認められるケースがあります。
また、脳振盪など選手の安全に関わるケースについて特別な扱いが設けられることもあります。
そのためニュースで、
「特例で抹消」
「特例による代替選手」
と書かれている場合には、通常の登録抹消とは分けて考える必要があります。
登録抹消はどこで確認できる?
一軍の登録・抹消はNPBから公示されています。
シーズン中は基本的に、
「今日誰が一軍に上がったのか」
「誰が抹消されたのか」
を確認できます。
応援しているチームで突然主力選手が抹消されると驚きますが、公示の時点では理由まで詳しく分からないこともあります。
その後、球団や監督のコメント、報道などによって、
ケガなのか
再調整なのか
登板間隔によるものなのか
が分かってくることがあります。
「抹消=悪いニュース」とは限らない
登録抹消という言葉には、どうしてもネガティブな印象があります。
確かにケガや不振による抹消もあります。
しかし先発投手の登板間隔を考えた戦略的な抹消など、チーム運用の一環として行われることもあります。
そのため好きな選手の名前が「登録抹消」に載っていても、まずは理由を確認してみましょう。
そして覚えておきたいのは、
登録抹消=球団を辞めることではない
ということ。
通常は一定期間再登録できませんが、その間に二軍で調整し、再び一軍へ戻ってくることができます。
毎日の公示を見るようになると、
「この選手を下げたということは、明日は誰が上がる?」
と、試合以外のチーム編成まで楽しめるようになります。
プロ野球を少し深く見るなら、「登録」と「抹消」にも注目してみてください。


コメント