ノーヒットノーランと完全試合の違いは?四球・エラー・延長戦ではどうなる?

投手が圧倒的なピッチングを続けていると、球場や中継が少しずつざわつき始めます。

「まだヒットを1本も打たれていない」

そして試合終盤になると、

「ノーヒットノーランまであと○人」

という言葉が聞かれるようになります。

さらに、ヒットどころか一人のランナーも出していなければ「完全試合」の可能性も出てきます。

どちらも滅多に見られない大記録ですが、

「ノーヒットノーランと完全試合は何が違う?」
「四球を出したらノーヒットノーランは消える?」
「エラーでランナーが出たら?」
「点を取られても達成できる?」
「9回まで完全でも延長でヒットを打たれたら?」

など、細かいところまで考えると意外と分かりにくいものです。

今回は、この2つの違いを整理します。

ノーヒットノーランとは?

日本のプロ野球で一般にノーヒットノーランと呼ばれるのは、投手が相手チームを無安打無得点に抑えて試合を終えることです。

名前の通り、

ノーヒット=安打を許さない
ノーラン=得点を許さない

という記録です。

つまり相手打線にヒットを1本も打たれず、さらに1点も与えずに試合を終える必要があります。

完全試合とは?

完全試合は、さらに条件が厳しくなります。

簡単にいえば、

相手打者を一人も出塁させずに勝利する試合

です。

通常の9回なら相手打者は最低27人。

その27人をすべてアウトにして、

27人の打者
27個のアウト
出塁者0人

で試合を終えるのが典型的な完全試合です。

英語の「Perfect Game」から「パーフェクトゲーム」と呼ばれることもあります。

一番大きな違いは「ランナーを出していいか」

ノーヒットノーランと完全試合の違いを覚えるなら、ここが一番分かりやすいでしょう。

ノーヒットノーラン
→ヒットを打たれなければ、四球などで走者を出しても達成できる

完全試合
→一人の走者も出してはいけない

たとえば9回を無安打無失点に抑えたものの、途中で四球を3個出していたとします。

これは完全試合ではありません。

しかしヒットも得点も許さず条件を満たしていれば、ノーヒットノーランにはなり得ます。

四球を出したらどうなる?

四球を出した瞬間、完全試合の可能性はなくなります。

四球によって打者を一塁へ出しているからです。

しかし四球は安打ではありません。

そのため、

四球を出す
↓
完全試合は消える
↓
ノーヒットノーランは継続

ということがあります。

野球中継でも、

「完全試合はなくなりましたが、まだノーヒットノーランが続いています」

という状況があり得ます。

死球でも同じ?

死球でも打者が出塁するため、完全試合ではなくなります。

一方、死球も安打ではありません。

その後もヒットと得点を許さず試合を終えれば、ノーヒットノーランの可能性は残ります。

つまり、

四球
死球

はいずれも完全試合には影響しますが、それだけでノーヒットノーランが消えるわけではありません。

エラーで出塁したら?

これも完全試合ではなくなります。

たとえば平凡なショートゴロ。

普通ならアウトにできる打球でしたが、遊撃手が悪送球して打者が一塁へ。

公式記録が「失策」なら安打ではありません。

そのためノーヒットノーランの可能性は残ります。

しかし走者を一人出しているので、完全試合は成立しません。

振り逃げで出塁したら?

振り逃げによって打者走者が一塁へ到達した場合も、完全試合ではなくなります。

安打を打ったわけではないので、それだけでノーヒットノーランが消えるとは限りません。

以前の記事で紹介したように、三振を奪っても第三ストライクを捕手が正規に捕球できなかった場合などには、条件によって打者が走者になることがあります。

つまり、

三振を奪ったのに完全試合が消える

という珍しい展開も理論上あり得ます。

ノーヒットでも点を取られることはある?

あります。

ヒットを1本も打たれていなくても、相手が得点することは可能です。

たとえば、

四球
盗塁
送りバント
犠牲フライ

という流れなら、安打なしでも1点が入ります。

ほかにも、

四球
暴投
エラー

などが絡んで得点することがあります。

つまり、

無安打=無得点

ではありません。

無安打でも点を取られたらノーヒットノーラン?

日本で一般に使われる「ノーヒットノーラン」は、無安打だけでなく無得点であることも重要です。

そのためヒットを1本も許さなくても、四球や失策などから得点を許した場合は、一般的な意味でのノーヒットノーランにはなりません。

「ヒットは0本なのにノーヒットノーランではない」

という試合も起こり得るわけです。

完全試合なら必ずノーヒットノーランでもある?

完全試合なら当然、安打も得点も許していません。

その意味ではノーヒットノーランよりもさらに厳しい条件を達成した記録です。

イメージとしては、

ノーヒットノーラン
 └その中でも一人も走者を出さない究極の形が完全試合

と考えると分かりやすいでしょう。

完全試合では、

安打なし
四球なし
死球なし
失策による出塁なし

など、相手を一度も塁に出さずに試合を終える必要があります。

味方のエラーがあったら完全試合は絶対に消える?

重要なのは、エラーそのものではなく相手打者・走者を出塁させたかです。

たとえばファウルフライを野手が落球。

記録上は失策になったとしても、その打者がそのまま打席を続け、最終的にアウトになったとします。

この場合、相手選手を出塁させたわけではありません。

一方、内野ゴロの悪送球によって打者走者が一塁へ到達すれば、完全試合ではなくなります。

「エラーが記録されたか」だけで判断するのではなく、実際に出塁者が発生したかを見る必要があります。

9回まで完全なら完全試合?

試合が9回で終了するなら、9回まで一人も出塁させず勝利すれば完全試合です。

では0対0のまま延長戦に入ったらどうでしょう。

ここが面白いところです。

9回まで27人を完全に抑えても、試合自体が終わっていなければ記録はまだ完成していません。

延長10回にヒットを打たれれば、その時点で完全試合は消えます。

延長10回で初めて四球を出したら?

9回まで完全。

しかし味方も得点できず0対0。

10回表、先頭打者に四球。

この瞬間に完全試合ではなくなります。

それでも安打はまだ許していないので、無安打の状態自体は続きます。

その後の試合展開によって記録がどうなるかが決まります。

投手にとっては9回を完璧に抑えていても、試合が終わらなければ記録も完成しないという厳しさがあります。

9回までノーヒットでも味方が点を取れなかったら?

これも同じです。

0対0で延長戦へ入った場合、9回まで無安打無失点でも試合は終了していません。

記録達成のためには、その後のイニングも抑える必要があります。

投手がどれだけ完璧に投げても、自分のチームが得点してくれなければ試合を終わらせることができません。

ノーヒットノーランや完全試合には、味方の援護も必要なのです。

複数の投手でノーヒットに抑えたら?

先発投手だけでなく、複数の投手がリレーして相手を無安打に抑えることもあります。

たとえば、

先発A 7回無安打
B投手 8回無安打
C投手 9回無安打

という試合です。

チームとしては相手に1本もヒットを許していません。

ただし、一人の投手が試合を投げ切って達成する個人のノーヒットノーランとは区別して扱われます。

「チームとしての無安打」と「一人の投手によるノーヒットノーラン」は分けて考えた方が分かりやすいでしょう。

ノーヒットノーラン目前で内野安打……はなぜ揉める?

8回、9回までノーヒットが続くと、微妙な打球の記録にも注目が集まります。

たとえばボテボテのゴロを内野手が捕ったものの、一塁への送球が間に合わなかった。

これが、

安打なのか
失策なのか

によってノーヒットノーランの行方が変わります。

最終的な判断をするのは公式記録員です。

投手の大記録がかかっているからといって、本来なら安打とする打球を失策に変更するわけにはいきません。

だからこそ記録達成目前の微妙な打球は、球場全体が緊張する瞬間になります。

完全試合は守備陣の記録でもある

完全試合というと投手だけに注目しがちですが、27個のアウトを取るには守備の力も欠かせません。

外野への大飛球を好捕。

三遊間の難しいゴロをアウト。

際どい打球を一塁手がすくい上げる。

そんなプレーが一つでも抜ければ、完全試合が終わることがあります。

終盤になるほど守っている選手にも大きなプレッシャーがかかります。

完全試合は投手の大記録であると同時に、守備陣の助けがあって初めて完成する記録でもあります。

「まだ完全」と「まだノーヒット」を聞き分けると面白い

試合序盤では、ヒットが出ていないこと自体は珍しくありません。

しかし5回、6回と進んでも無安打が続くと、中継でも少しずつ記録が意識され始めます。

そのとき確認したいのが、

走者を一人でも出しているか

です。

四球などですでに出塁を許していれば、

「ノーヒットノーランの可能性」

が残っている状態。

一人も出していなければ、

「完全試合の可能性」

まで残っています。

違いは非常にシンプルです。

ノーヒットノーランは、ヒットと得点を許さない。

完全試合は、それに加えて一人も出塁させない。

次に先発投手が5回あたりまで一人の走者も許していなかったら、スコアだけでなく相手チームの「安打」「四死球」「失策」などにも注目してみてください。

いつもの試合が、歴史的な記録を目撃する試合に変わるかもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました