プロ野球のドラフト会議を見ていると、1位指名では各球団が一斉に選手を指名します。
同じ選手に複数球団が集まれば抽選。
ここまでは分かりやすいですよね。
ところが2位指名になると、
「○○球団、選択希望選手……」
と、突然1球団ずつ指名する方式に変わります。
さらに3位になると、今度はさっきとは逆方向に指名が進んでいきます。
「ドラフト2位はどの球団から指名する?」
「なぜ2位と3位で順番が逆になる?」
「最下位の球団が最初じゃないの?」
など、ドラフトを毎年見ていても意外と分かりにくい「指名順」について整理します。
ドラフト1位は全球団が同時に指名
まずドラフト1位です。
1位指名では、12球団がそれぞれ欲しい選手を指名します。
指名した選手が他球団と重ならなければ、その球団が交渉権を獲得。
複数球団が同じ選手を指名した場合は抽選になります。
たとえば、
巨人→A選手
阪神→B選手
DeNA→A選手
だった場合、A選手は巨人とDeNAによる抽選です。
阪神は競合していないため、そのままB選手との交渉権を獲得します。
抽選に外れたらどうなる?
1位指名の抽選に外れた球団は、別の選手を再び指名します。
いわゆる「外れ1位」です。
ここでも複数球団の指名が重なれば、再び抽選になります。
さらにそこでも外れれば、もう一度別の選手を指名します。
つまり1位指名は、12球団すべての交渉権が確定するまで続きます。
ドラフト会議で最も盛り上がる場面の一つですね。
ドラフト2位から指名方法が変わる
2位指名からは、1位のような一斉指名ではありません。
決められた順番に従って、1球団ずつ選手を指名していきます。
このとき使われるのが、いわゆるウェーバー方式です。
基本的にはそのシーズンの順位が低かった球団から順番に指名していきます。
ただし、日本のプロ野球にはセ・リーグとパ・リーグがあるため、
単純に「12球団を勝率順に並べて最下位から」
というわけではありません。
セ・リーグとパ・リーグが交互になる
ドラフトの指名順では、その年に優先権を持つリーグがあります。
たとえばセ・リーグ側に優先権がある年なら、
セ・リーグ6位
↓
パ・リーグ6位
↓
セ・リーグ5位
↓
パ・リーグ5位
というように、両リーグを交互に指名していきます。
そのまま、
セ4位→パ4位
セ3位→パ3位
セ2位→パ2位
セ1位→パ1位
と進めば12球団の2位指名が終了します。
そのため、
「最下位だから12球団で一番最初に2位指名できる」
とは限りません。
もう一方のリーグの最下位球団との前後関係があります。
3位指名では順番が逆になる
ここがドラフト指名順の面白いところです。
2位指名が最後の球団まで進んだら、3位指名ではそのまま逆方向へ戻ります。
イメージとしては、
A→B→C→D
と進んだあと、
D→C→B→A
と戻ってくる形です。
このため2位指名が最後だった球団は、3位指名では最初になります。
反対に2位指名が最初だった球団は、3位では最後です。
4位になるとまた逆になる
4位指名では、再び2位と同じ方向へ進みます。
つまり、
2位:下位側から上位側へ
3位:上位側から下位側へ
4位:下位側から上位側へ
5位:上位側から下位側へ
というように、指名する方向が交互に入れ替わります。
これを「折り返し方式」「蛇行方式」のようにイメージすると分かりやすいでしょう。
ドラフト中継で、
「次の指名はどこだっけ?」
となったら、直前の巡目と反対方向に進むと覚えておくと追いやすくなります。
なぜ2位指名は下位球団から?
ドラフト制度には、各球団の戦力をできるだけ均衡させるという考え方があります。
もし毎年上位球団から有望選手を指名できれば、強いチームがさらに有利になってしまいます。
そこで2位など一部の巡目では、順位の低い球団から指名できる仕組みになっています。
特にドラフト2位は、1位候補に近い評価を受けている選手が残っていることもあります。
そのためシーズン終盤になると、
「最下位ならドラフト2位で有利」
といった話が出ることがあります。
「ドラフト13番目の選手」とは?
ドラフト関連の記事などで、
「実質ドラフト13番目」
という表現を見かけることがあります。
1位指名では12球団がそれぞれ1人の交渉権を獲得します。
その直後に2位指名を最初に行う球団は、単純な順番で考えれば全体13番目の選手を選べることになります。
もちろん実際には各球団の評価や補強ポイントが違うので、
「13番目に指名された=全体13位の評価」
という意味ではありません。
それでも、1位級と評価していた選手が残っていれば、2位の最初に指名できる球団はかなり魅力的な選択肢を持つことになります。
2位指名が早いと3位指名は遅くなる
下位球団がずっと有利というわけでもありません。
2位を早く指名できる代わりに、折り返した3位では順番が遅くなります。
逆に上位球団は2位指名こそ遅いものの、3位では早く指名できます。
そのため、
「2位と3位をセットで誰を取るか」
という球団の戦略もドラフトの見どころです。
欲しい選手が複数残っていたとしても、
「この選手は次の自分たちの順番まで残るだろう」
と判断すれば、別の選手を先に指名することも考えられます。
指名したい選手を他球団に取られることもある
1位と違い、2位以降には抽選がありません。
先に指名された選手は、その時点で他球団が指名できなくなります。
自分たちの順番が来る直前に、
「狙っていた選手を取られた!」
ということもあります。
ドラフト中継で球団のテーブルが慌ただしくなる場面がありますが、直前に予定していた選手を指名され、別の候補を検討している可能性もあります。
2位以降は抽選のドキドキとは違う、指名順ならではの駆け引きがあります。
ドラフトは何位まで指名できる?
「ドラフトは10位まで」といった決まった巡目があるわけではありません。
各球団は必要な人数を指名し、途中で「選択終了」とすることができます。
そのため、
A球団は5人で終了
B球団は6人
C球団は8人
といったように、球団によって指名人数が違います。
後半になると指名を終了する球団が増え、残っている球団だけで指名が進んでいきます。
育成ドラフトはいつ行われる?
通常の新人選手選択会議が終了したあと、条件を満たした場合には引き続き「育成選手選択会議」が行われます。
いわゆる「育成ドラフト」です。
ここで指名された選手は、最初から一軍公式戦に出場できる支配下選手ではなく、育成選手として球団と契約します。
ただし、育成から支配下登録されて一軍の主力になる選手も珍しくありません。
ドラフト当日は本指名が終了したあとも、育成ドラフトまでチェックしておくと、数年後のスター候補が見つかるかもしれません。
指名順が分かるとドラフト2位以降が面白い
ドラフトといえば、どうしても1位指名と抽選が注目されます。
しかし指名順の仕組みが分かると、面白くなるのはむしろ2位以降です。
ポイントは、
1位は全球団による入札方式
そして2位以降は、
2位→一方向
3位→逆方向
4位→再び一方向
と折り返しながら指名していくことです。
「次の球団までにこの選手は残っているか?」
「この球団は2位で投手を取ったから3位では野手か?」
などと予想しながら見ると、ドラフト会議を最後まで楽しみやすくなります。
1位の抽選が終わったからとテレビを消さず、ぜひ2位以降の指名順にも注目してみてください。


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