プロ野球のニュースを見ていると、
「育成選手として契約」
「支配下登録を勝ち取った」
「背番号が3桁から2桁になった」
といった言葉をよく見かけます。
ドラフトでも通常の指名が終わったあとに「育成ドラフト」が行われます。
では、育成選手と普通のプロ野球選手は何が違うのでしょうか。
「育成選手もプロなの?」
「一軍の試合には出られない?」
「背番号は必ず3桁?」
「給料はいくらくらい?」
「いつまで育成選手でいられる?」
など、意外と分かりにくい育成選手の仕組みを整理します。
育成選手もプロ野球選手
まず最初に知っておきたいのが、育成選手も球団と契約しているプロ野球選手だということです。
「育成」という名前から、
球団の練習生
プロ入り前の見習い
のように感じるかもしれませんが、そうではありません。
球団と選手契約を結び、プロ野球選手としてプレーします。
ただし、一般的な選手とは契約上の区分が違います。
一般に一軍で活躍している選手の多くは「支配下選手」です。
支配下選手とは?
NPBの球団が保有できる支配下選手には上限があります。
現在は1球団につき70人です。
ドラフト会議で通常の指名を受けて入団する選手は、基本的にこの支配下選手として契約します。
そして、一軍公式戦に出場するためには支配下選手である必要があります。
ここが育成選手との非常に大きな違いです。
育成選手は一軍公式戦に出場できない
育成選手のままでは、一軍公式戦には出場できません。
たとえ二軍で、
打率4割
10試合連続ホームラン
防御率0.00
というような大活躍をしても、育成契約のまま突然一軍の試合へ出場することはできません。
まず球団から支配下選手として登録してもらう必要があります。
そのため育成選手にとって「支配下登録」は非常に大きな目標です。
「支配下登録を勝ち取る」とは?
春季キャンプなどで、
「育成の○○が支配下登録へ猛アピール」
という記事を見ることがあります。
これは、一軍戦力として使いたいと球団に判断してもらい、育成選手から支配下選手へ契約を切り替えてもらうことを目指しているわけです。
支配下登録されれば、それだけで一軍の試合に自動的に出られるわけではありません。
その後さらに一軍の出場選手として登録される必要があります。
イメージとしては、
育成選手
↓
支配下選手になる
↓
一軍の出場選手として登録される
↓
一軍公式戦に出場
という段階があります。
なぜ育成選手という制度があるの?
球団が将来性のある選手を長い目で育てるためです。
プロ入りした時点では一軍で戦えるレベルに達していなくても、
数年かけて体を作る
投球フォームを改善する
打撃を磨く
守備力を高める
ことで大きく成長する選手がいます。
また、ケガからの復帰に時間がかかる選手などが育成契約になるケースもあります。
育成選手=実力のない若手
と単純に考えることはできません。
育成ドラフトとは?
プロ野球ドラフト会議では、通常のドラフト指名が終わったあとに育成選手を対象としたドラフトが行われます。
これが一般に「育成ドラフト」と呼ばれるものです。
ここで指名された選手は、育成選手として球団と契約します。
通常ドラフトで指名された選手とは、入団時点から契約上の立場が違うわけです。
たとえば同じ高校から、
A選手 ドラフト5位
B選手 育成ドラフト1位
で指名された場合、2人ともプロ入りすることには変わりありません。
しかしA選手は支配下選手、B選手は育成選手としてスタートするのが基本です。
育成選手の背番号が3桁なのはなぜ?
育成選手というと、
「背番号001」
「背番号123」
のような3桁の番号をイメージする人も多いでしょう。
NPBでは育成選手の背番号は3桁の数字を使用します。
そのため試合中でも、背番号を見れば育成選手だと分かります。
そして支配下登録された際には、支配下選手として使用できる背番号へ変更されます。
ニュースで、
「支配下登録に伴い、背番号が123から52に変更」
などと発表されるのはこのためです。
育成選手にとって背番号が3桁から変わることは、支配下入りを象徴する瞬間でもあります。
支配下選手なら背番号は2桁?
多くの選手は1桁または2桁ですが、支配下選手には「00」も使用できます。
一方、育成選手は3桁の背番号を付けます。
そのため、
「3桁の背番号=育成選手」
と覚えておけば、基本的には分かりやすいでしょう。
育成選手は二軍の試合に出られる?
出場できます。
育成選手は二軍などで実戦経験を積みながら成長し、支配下登録を目指します。
ただし、育成選手の出場について大会・試合によって登録人数などのルールが設けられている場合があります。
一軍公式戦には育成選手のまま出場できない、という点との違いを覚えておきましょう。
育成選手の年俸は?
育成選手にも球団から報酬が支払われます。
NPBの規約では、育成選手について最低年俸が定められています。
ただし、支配下選手とは最低年俸の水準が異なります。
さらに支配下選手についても、一軍で一定期間プレーした場合には最低年俸との関係で追加の支払いが発生する仕組みがあります。
実際の契約金額は選手によって異なるため、
「育成選手なら全員同じ給料」
というわけではありません。
支配下登録できる期限がある
育成選手が良い成績を残したからといって、シーズンの最後までいつでも支配下登録できるわけではありません。
一軍の戦力として使うための支配下登録には期限があります。
そのため夏が近づくと、
「支配下登録期限まであと○日」
というニュースが増えてきます。
球団側は、
現在の一軍戦力
故障者
支配下選手の人数
育成選手の成績
補強の予定
などを考えながら判断します。
育成選手にとっては非常に重要な時期です。
活躍していても支配下登録されないことがある?
あります。
支配下登録は、単純に二軍成績だけで決まるものではありません。
支配下選手は最大70人なので、球団の枠にも限りがあります。
たとえば育成の投手が好成績でも、一軍の投手陣が充実していればすぐには支配下登録されないかもしれません。
反対に一軍で捕手の故障が相次いだ場合、育成捕手の支配下登録を急ぐことも考えられます。
つまり、
本人の実力+チーム事情+支配下枠
などを総合して決まります。
育成からスター選手になることもある
育成契約からスタートして、一軍の主力まで成長した選手は実際にいます。
育成選手はドラフト上位選手などと比べれば、プロ入り時点での評価が高くないケースもあります。
しかしプロ入り後に急成長することは珍しくありません。
投手なら球速が大幅に上がる。
打者なら長打力が伸びる。
守備や走塁という武器を磨いて一軍で必要とされる。
こうして支配下登録を勝ち取り、さらに一軍のレギュラーへ成長することがあります。
育成選手を見る面白さは、まさにここにあります。
支配下選手が育成選手になることもある?
あります。
もともと支配下だった選手が、翌年に育成契約を結ぶケースがあります。
特に大きなケガをして長期間のリハビリが必要な場合などに見られます。
ただし、単に球団が自由に「今日から育成選手にします」と変更できるわけではありません。
一度契約上の手続きを経たうえで、改めて育成契約を結ぶ形になります。
そのためシーズン終了後には、
「自由契約となった後、育成で再契約する見込み」
と報道されることがあります。
育成契約には期間のルールもある
育成選手として何年でも無条件に同じ契約を続けられるわけではありません。
一定期間を経過した育成選手については、シーズン終了後に一度自由契約となる仕組みがあります。
そのうえで球団が再び育成契約を結ぶことがあります。
ニュースで、
「育成選手○人を自由契約選手として公示」
と出ても、
「全員退団するの?」
とは限りません。
制度上いったん自由契約となり、その後同じ球団と再契約する選手もいます。
育成選手と支配下選手の一番大きな違い
細かな違いはいくつもありますが、野球観戦をするうえでは、
育成選手のままでは一軍公式戦に出場できない
と覚えておくと分かりやすいです。
育成選手が一軍でプレーするには、まず支配下登録を勝ち取らなければなりません。
そのため春季キャンプやシーズン中に、
「育成の○○を支配下登録」
というニュースが出ると、本人にとって非常に大きな出来事なのです。
「支配下登録」のニュースに注目すると面白い
ドラフト上位で入団したスター候補だけがプロ野球ではありません。
育成ドラフトで指名され、3桁の背番号からスタートする選手も大勢います。
二軍で結果を残す。
支配下登録される。
一軍へ昇格する。
プロ初出場を果たす。
そしてレギュラーをつかむ。
そんな過程を最初から追えるのが、育成選手を見る面白さです。
ニュースで「支配下登録」という言葉を見かけたら、その選手の背番号やこれまでの二軍成績も調べてみてください。
数年後には、その選手が一軍の中心選手になっているかもしれません。


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