野球の攻撃は9人の打順で回ります。
1番打者から始まって、
1番
2番
3番
……
8番
9番
まで打ったら、再び1番打者です。
では、1回の攻撃がなかなか終わらなかった場合、
同じ選手が1イニングに2回打席に立つことはあるのでしょうか。
もちろん、あります。
プロ野球でも大量得点のイニングでは普通に起こります。
ただ、ここで少し気になることがあります。
よく実況で聞く、
「打者一巡の猛攻」
とは、いったい何人が打席に立った状態なのでしょうか。
9人?
それとも最初の打者がもう一度登場する10人?
意外と迷うところです。
1イニングに同じ打者が2回打つことはある
野球では3アウトになるまで攻撃が続きます。
「1イニングにつき打者9人まで」という決まりはありません。
アウトにならず、
ヒット
四球
死球
エラー
などで出塁する選手が続けば、打順はどんどん進みます。
9番打者まで終わっても3アウトになっていなければ、再び1番打者へ。
つまり、そのイニングの先頭打者がもう一度打席に立つことになります。
これが「1イニング2打席」です。
何人出塁すれば打順が一周する?
たとえば1番打者から攻撃が始まったとします。
1番 ヒット
2番 四球
3番 ヒット
4番 アウト
5番 四球
6番 ヒット
7番 アウト
8番 ヒット
9番 四球
ここまでで2アウト。
次の打者は誰でしょうか。
再び1番打者です。
最初にヒットを打った1番打者が、そのイニング2回目の打席へ入ります。
これだけ攻撃が続けば、かなりの大量得点になっている可能性があります。
「打者一巡」は9人?10人?
ここが少しややこしいところです。
野球中継では、
「この回、打者一巡の猛攻!」
という表現をよく聞きます。
一般的には、9人の打順が一通り回った状態を「打者一巡」と表現します。
ただし、
「先頭打者が2回目の打席に入ったところで一巡した」
という感覚で使われることもあります。
そのため「打者一巡=必ず打席数が○人」と機械的に考えるより、
打順が一周するほど攻撃が続いた
という意味で理解した方が分かりやすいでしょう。
10人目の打者は最初の打者とは限らない
たとえばそのイニングが4番打者から始まった場合。
打順は、
4番
5番
6番
7番
8番
9番
1番
2番
3番
と進みます。
さらに攻撃が続けば、次は再び4番打者です。
つまり「打者一巡」は、必ず1番から9番までという意味ではありません。
そのイニングの最初に打席へ入った選手まで打順が戻ってくる
と考えると分かりやすいです。
1イニングに3回打席へ立つこともできる?
では、
同じ選手が1イニングに3回打席に立つ
こともできるのでしょうか。
理論上はできます。
打者9人で一周。
さらにもう一周して、それでも3アウトにならなければ、同じ打者に3回目の打席が回ってきます。
ただし、そこまで攻撃が続くには相当な数の出塁が必要です。
2回目の打席なら大量得点の試合で見かけることがありますが、3回目となると一気に珍しくなります。
1イニングに打てる人数の上限はある?
ありません。
野球は3アウトになるまで攻撃が続きます。
極端な話、
ヒット
↓
ヒット
↓
四球
↓
ヒット
↓
エラー
↓
四球……
と延々とアウトにならなければ、攻撃も終わりません。
そのため、
1イニングの打者数にルール上の上限はありません。
もちろん現実にはどこかでアウトになります。
しかしルール上、
「20人打ったら強制的にチェンジ」
のような制限はないのです。
1イニングの得点にも上限はない
同じ理由で、1イニングに取れる得点にも基本的な上限はありません。
3アウトになる前なら、何点でも取ることができます。
5点でも、
10点でも、
20点でも、
ルール上は可能です。
プロ野球でも、ときどき1イニングだけで大量得点が入り、試合がほぼ決まってしまうことがあります。
こういうときに「打者一巡」という言葉が登場します。
打者一巡しても0点ということはある?
大量得点のイメージが強い打者一巡ですが、
「一巡した=必ず大量得点」
とは限りません。
四球やエラーなどが絡んで多くの打者が打席へ入りながら、得点自体はそれほど多くないことも考えられます。
ただし9人近くが打席に立つには、かなり多くの打者がアウトにならずに攻撃をつなぐ必要があります。
そのため実際には、打者一巡まで行けば複数得点になっているケースが多いでしょう。
同じ選手が1イニングに2本ホームランを打つこともある?
あります。
同じ選手に2回目の打席が回ってくるなら、
1回目 ホームラン
2回目 ホームラン
ということも当然可能です。
「1試合2本塁打」だけなら珍しくありませんが、
1イニング2本塁打
となると話は別です。
チームの攻撃が一周するほど続き、その選手が2回ともホームランを打たなければなりません。
大量得点と個人の好調が同時に重なって生まれる珍記録です。
1イニングに2三振することもある?
これも可能です。
少し悲しい記録ですが、
1回目の打席 空振り三振
↓
その後、味方打線が爆発
↓
打者一巡
↓
2回目の打席 また三振
となれば、
1イニング2三振
です。
最初に三振した時点では、
「この回はもう打席が回ってこないだろう」
と思うかもしれません。
しかし味方がアウトにならず攻撃を続ければ、もう一度打席が回ってきます。
そして、そこで再びアウトになることもあります。
3アウトした選手が全部同じということもある?
さらに極端なケースを考えてみます。
ある選手がイニングの先頭でアウト。
味方が猛攻を続けて打者一巡。
同じ選手に2回目の打席が回ってきて、またアウト。
さらに攻撃が続いてもう一巡。
3回目の打席でもアウト。
理屈の上では、
1イニングの3アウトをすべて同じ打者が記録する
ことも可能です。
実際にそこまで打線がつながること自体が極めて珍しいので、なかなか見ることはありません。
ただ、ルール上不可能というわけではありません。
打順を見れば「もう一度回ってくる」が分かる
大量得点のイニングでは、スコアだけでなく打順にも注目すると面白くなります。
たとえば4番打者がホームラン。
その後も攻撃が続いて8番、9番、1番、2番、3番まで回った。
すると次は再び4番です。
実況でも、
「ホームランを打った○○に、この回2度目の打席が回ってきました」
という展開になります。
ここでまた長打が出れば、一人の選手が1イニングだけで大量の打点を稼ぐこともあります。
代打が出たら2回目はどうなる?
1回目の打席で代打が送られた場合、その選手は交代した元の選手の打順に入ります。
そのまま攻撃が続いて打順が一周すれば、同じ打順が再び回ってきます。
ただし、その時点でさらに別の代打を送ることもあります。
そのため記録を見たとき、
「同じイニングの同じ打順なのに違う選手が打っている」
ということもあります。
大量得点のイニングでは選手交代まで絡むため、スコアブックがかなり複雑になることがあります。
攻撃が長いと投手にも影響する
打者一巡の攻撃は、得点だけでなく試合全体にも影響します。
味方が攻撃している間、相手投手はずっと守備。
一方で味方の投手はベンチで待っています。
あまりにも攻撃時間が長くなると、
「投手の肩が冷えてしまわないか」
と心配されることがあります。
大量援護は投手にとってありがたいものですが、あまりに長い攻撃になると、次のイニングへ向けて再び体を動かす必要が出てくることもあります。
「打者一巡」は大量得点の目安として見ると面白い
野球中継で何気なく使われる「打者一巡」。
単に、
「たくさん打った」
という意味ではありません。
9人で構成される打順が一周するほど、3アウトにならず攻撃が続いたということです。
そして攻撃がさらに続けば、
同じ選手の1イニング2安打
1イニング2本塁打
1イニング2三振
といった、普通ならあまり意識しない記録まで生まれる可能性があります。
次に実況で、
「打者一巡の猛攻です」
と聞いたら、得点だけでなく打順を見てみてください。
「さっき打った選手が、もう打席にいる」
という大量得点イニングならではの面白い光景を見ることができます。


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