“1球も投げずに勝ち投手”になることがあるのか?

野球では「投手が1球も投げていないのに勝ち投手になることがある」という珍しい現象が起きる可能性が存在します。

今回は「勝ち投手」のルールと、その中で起こる“0球で勝ち投手”の可能性について、具体ルールと実例を交えて解説します。


まずは基本ルール:勝ち投手とは?

勝ち投手は、試合終了時に「自チームが勝利した」「決勝点を取ったイニングに投げていた」投手に与えられます

  • 先発投手の場合は、最低でも5イニング以上投げる必要があります
  • リリーフ投手の場合は、決勝点が入った回に投げていて、勝ち越し後リードを保てば対象です

ただし、複数のリリーフ投手が登板した場合、「最も効果的だった」投手にスコアラーが判断して勝ちが割り当てられます。


“1球だけで勝ち投手”になることもある

もしリリーフ登板後にチームが勝ち越し、そのリリーフ投手がそのまま勝利までつなげば、実質1球だけで“勝ち投手”になった例も存在します。


“0球で勝ち投手”は本当にあり得るか?

理論上は、打者に投げる前に牽制でアウトを取った場合、その投手が決勝点イニングを終えれば勝ち投手となる可能性があります。
ただし、公式記録員の判断と「登板した」と見なされるかどうかが鍵となり、実際の事例は非常に稀です

メジャーでは“0球セーブ”の事例があります。
1970年4月29日 ミネソタ・ツインズのスタン・ウィリアムズがツーアウト・ランナー二塁の場面でマウンドへ。
打者に投球を投じる前に牽制でゲーム終了、0球でセーブが記録されています。

そのため、日本では0球勝利の公認例は無いものの、理論上可能とされています。


なぜそんなルールになるのか?

このルール設計には、以下の背景があります:

  • 公平性:試合の決定に関わった投手に勝ちを付与する原則(イニング単位)。
  • 評価の簡素化:複雑な判断を避けるため、イニング単位で判断がなされる方式。

結果として「1球でも決勝点イニングにいた投手に勝ちがつく」ということになります。



まとめ

  • 勝ち投手は「決勝点イニングに投げていた投手」に与えられる。
  • 先発なら5イニング以上、リリーフなら決勝点前後での登板が条件。
  • “1球勝利”や理論上“0球勝利”が成立しうるのは、この基準によるもの。
  • 日本では実例はまだないが、MLBでは類似ケースが確認されています。

野球の記録ルールには一風変わった適用例があります。
次回、リリーフ登板と勝利の関係が話題に上がったら、この“ゼロ球勝利”の可能性も思い返してみると面白いかもしれません。

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